脱炭素社会へ転換させる社会的ティッピングポイントに関する意識調査
- ページ: 34
- (6) 問3ー1、3-2 のまとめと論点
• 社会的ティッピングポイントについては、気候ティッピングポイントに⽐べて認知度はさら
に低い。
• 今回の調査では両⽅のティッピングポイントについて、いずれも「知らなかった」「聞いた
ことがある」のカテゴリーⅣの回答者⽐率は79%になる。
• 期待されるアクションでは、
⼤学⽣は「商品にCO2排出量が表⽰されて消費者が少ない商品を選ぶ」
会社員(サービス系)は「炭素税(カーボンプライシング)が導⼊されて企業業績に影響する」
会社員(メーカー系)は「グリーン成⻑戦略による⼤規模な優遇措置で技術開発が⼤きく
進む」であった。
• 教職員・団体職員では広い範囲の項⽬を平均的に選択している。
• ⼀⽅で「⾃治体に住⺠参加型の脱炭素チームの設置が義務となる」など、市⺠運動的な活動
への⽀持は少ない。
論点
• 社会的ティッピングポイント(STP)の認知度が低いため、脱炭素化に向けたシナ
リオが描けておらず、取り組みに戦略性が欠けている
→ 脱炭素に向けたアクションは多方面から提案されているが、実効性につい
ての総合的な視点からの議論が乏しく、網羅的で戦略性に欠けている。
脱炭素化の技術開発や効果的な投資の方向を考える上で、こうした社会的
ティッピングポイントをどのように生み出すかについて合わせて議論する必
要がある。
→ 日本では市民運動より、政府の規制と緩和による介入を期待する傾向が強
いと考えられるが、国民的な議論を高める上でも社会的ティッピングポイン
トのコンセプトや、脱炭素化に必要な情報について学術研究やメディアなど
からの提供を強化すべきと考える。
33
- ▲TOP