マテリアルフローコスト会計(Material Flow Cost Accounting、略してMFCA)は、製造プロセスにおける資源やエネルギーのロスに着目して、そのロスに投入した材料費、加工費、設備償却費などを“負の製品のコスト”として、総合的にコスト評価を行なう原価計算、分析の手法です。MFCAを使って分析、検討されるコストダウン課題は、省資源や省エネにもつながっていきます。
MFCAは、資源効率と経済効率の両立を図ることを目的とした環境管理会計の手法です。
製造工程において、廃棄処理、リサイクルされる材料に投入したコストを、明確化し、コスト削減の検討に用いる意味で、原価計算・分析の手法とも言えます。
MFCAは、原価計算・分析の手法として、次の3つの特徴を持っています。
- 正の製品コストと負の製品コストに分離、計算する
正の製品コスト:次工程に受け渡されたものに投入したコスト
負の製品コスト:廃棄物やリサイクルされたものに投入したコスト
- 全工程を通したコスト計算を行う
正の製品コストは、次工程では(前工程のコストとして)投入コストに含めて計算する。
- 総合的なコスト計算を行う
マテリアルコスト(材料費)、エネルギーコスト(電力費、燃料費)、システムコスト(労務費、設備償却費、間接労務費など)、廃棄、リサイクルのコストもすべて計算に含める。
またMFCAでは、下図のような計算結果を出します。
歩留率や不良率などは、現在でも製造業の重要な管理指標ですが、MFCAではそれが、負の製品コストとして、ロスコストを明確化できます。その結果、製造品質向上や歩留向上などの取り組みを、より効果的に行うことができると期待されているのです。
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