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第5回 事業化のネタづくり 〜事業領域(ドメイン)と対象製品の検討〜

1.事業領域(ドメイン)の設定

 新規事業の依頼でいつも多いのが、新規事業の方向性、事業領域のどこをやるかという質問です。戦略は「自社の強みを活かし機会に出る」が基本中の基本です。

自社の強みとは、差別化の源泉となる技術・ものづくり、商流・人材リソースを活かす方向です。

 機会とは、一般にいう成長市場領域で、環境・インフラ市場、健康・医療・介護市場、グローバル100兆円という水ビジネス、自動車・車載市場、スマートフォーン市場などがあります。

調査プロセスを下図に示します。

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 事業領域の取り方は、自社事業をコアドメインに据えて、少し広めにとるのが原則です。"旋盤事業"より"工作機械"あるいは"製造装置"事業のように定義するのが一般的です。

成長製品については、シンクタンク、経済産業省などの調査レポートから対象製品をキーワード的に抽出します。

 JMACでは、コンサル依頼の多い事業領域に関しては約1万ほどのアイテム製品をマップ化してノウハウとして持っています。

2.成長製品のマップ化

 ナノテク・医療を事業領域としたマップ事例を下図に示します。

細矢さんスライド2.PNG

 横軸は売上規模、縦軸は成長率を表します。

 成長率は2011年をベースに2020年と比較し、どの程度の伸びかを比率で示しています。

キーワードはナノテク応用素材・機器デバイス・健康・医療製品で検索しています。右上の象限が売上規模1兆円以上、成長率2倍以上を示しています。

 最近の傾向として、太枠で囲んだ在宅、予防医療・ペット医療関連領域の依頼件数が増えてきています。医療製品は前回も述べましたが、参入が困難な市場で、開発リードタイム(認可含む)が通常の2倍の78年かかるのが普通でした。

 本コラムの第3回の"強み技術"、第4回の"顧客価値"とこのマップ製品を連想して、差別化できるものが見つかれば幸いです。

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