第4回 故障を減らす・防ぐ保全システムから連続運転時間を保証できる保全システムの構築へ
第2回目の記事でも書いたが、お客様からコンサルティングの依頼がある最初のきっかけは、「故障が多いから減らしたい」や「保全費を減らしたい」である。そして、コンサルティングの進捗とともに信頼できる保全システムが出来上がってくると、故障は減るし、突発対応に費やしていた保全費も減る。予備品も安心して削減できる。
さらに上の保全システムとは?
保全システムの構築が進むと「故障が多いから減らしたい」や「保全費を減らしたい」という具体的なコンサルティング依頼(問題解決型)内容から、(お客様の声を借りれば)「さらに上を目指す保全システムをつくり上げたい」というやや抽象的ではあるが、お客様の強い意志をバネに、課題達成型のコンサルティングにチャレンジすることとなる。
さらなる上とは何なのか? お客様としっかり議論して構築することになるが、まず取り組んだプロジェクトの一例を紹介すると、
・潜在故障の網羅的な顕在化と寿命ネック部品の改善
・劣化状態監視技術開発と寿命予測法確立
・ストレス状態監視技術開発
・保全の経済性評価
などである。
これまで多くのお客様に、さまざまなテーマを通して、広く深く学ばせていただいた。この場を借りて感謝を申しあげたい。
連続運転を保証できる保全システムに向けて
さて、上記のプロジェクトは、保全システムというよりはシステムの要素である。
このコンサルティングフェーズになると、お客様は保全システム構築というよりは、システムの運営上不安視されるシステム要素の改善を前に出してくる。より高度な安心感を求めているということだ。
高度な安心感がなし得る成果を俯瞰しながら保全システムの進化を考えると、キーワードは「信頼できる保全システムから安心できる保全システムへ」である。そして構築する視点は、「故障を減らす・防ぐ保全システムから連続運転を保証できる保全システム」だ。
連続運転目標時間を定め、保証のために必要な保全アクションを調査してみると、故障を減らす・防ぐための保全システムで顕在化できなかった弱点要素が多数見つかる。
連続運転の目標時間は、業種ごとに異なるには当然だ。目標時間だけでなく、ゼロ保証する設備トラブルモードも異なる。
読者の企業で、今の保全システムで故障を防げているというレベルにあるならば、ひとつ上を目指すために連続目標時間を定め、弱点顕在化に取り組んではいかがだろうか。
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