【010キャッシュフロー】 作業進捗と借金は無関係と思うべからず
- 生産管理のべからず集
作業の小さな進み・遅れの積み重ねが会社全体の収益・キャッシュフローに直結するということを忘れず、効率的な作業実施をしていくことが大切である。
ねらい:キャッシュフロー向上
キーワード:仕掛在庫、作業の遅れ
たかが作業の遅れと思って侮ってはいけない
製造現場で毎日作業を行っている中では、作業の遅れが発生することも多々ある。その際に、「遅れた分は明日やればいいや」、「まだ在庫があるから大丈夫」と言って遅れが常態化してしまうといったことはないだろうか。
現場にいる作業者にとっては、目の前の仕事をすることがすべてで、その作業が会社のお金にどう影響を与えているかは、なかなか理解しづらいのが実態だと思われる。
しかし、実際にはこの日々の作業の効率が、企業全体の収益やキャッシュフローに影響を与えているのである。
たとえば、元々ある製品を1日100個つくれるはずなのに、ある日は80個しかつくれなかったとする。すると、会社としては、作業者を1日雇うのに同じ金額を払っている(つまり同じ費用をかけた)のに、売るものが少なくなってしまうため、結果的に企業の収益が悪化することになる。
さらには、製品を作る時間がかかればかかるほど、仕掛在庫としてお金が眠っている期間が長くなったり、顧客からの納期の短いオーダーに対応するために、より多くの製品在庫を持つことを求められたりする。こうなると、会社はより多くのお金を用意して操業する、つまりキャッシュフローの悪化を招くことになる。
自分の作業の遅れが経営に影響するを肝に銘じよう
このように、現場作業一つひとつの効率が会社全体の収益やキャッシュフローに影響を与えるのである。
では、どのようにしてお金に対する意識を高めていけばよいのか。もちろん、前述したような内容を現場の作業者にも周知し、教育していくことがまず第一である。
ただし、作業者に、よりリアリティを持ってお金のことを捉えてもらうためには、現場で起こるさまざまな効率の阻害要因をお金に換算して示すといった方法がある。
たとえば、不良品を1個つくってしまうといくら損をするのか、工場の設備トラブルが1時間続くとどれだけ損をするのかといった具合である。このような方法を用いて現場にもお金に対する意識を根付かせていくことが大事である。
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