【023生産システム】 在庫だけで対応しようとするべからず
- 生産管理のべからず集
変化してやまない顧客要求に対し、準備した生産能力でできるだけ安定した生産を行うためには、要求に即応できる生産編成・能力の弾力化が求められる。
ねらい:フレキシビリティー
キーワード:生産編成、生産能力
在庫で対応しようとする考えは時代遅れ
以前は"生産管理は在庫管理だ"と言われた。それは、販売計画から月末在庫を幾らにするかを先に決めて、販売量と在庫量を満足する生産量を計算したからである。つくったモノはすべて売れる製品中心の生産管理時代はこれで良かった。しかし、日々顧客要求が変化してやまない現代社会では、上記のような理屈は通用しない。
素早く生産できる"生産編成・生産能力で対応する
顧客要求の個性化・差別化時代、商品中心の今日、素早く生産できる"生産編成・生産能力の弾力化"で対応しなければならない。
そのためには、以下の3点を考慮するべきである。
(1) 顧客要求に素早く応える生産編成であること
自分だけのものを求める豊かな時代のお客様要求に素早く応えるには、製品ABC分析※を行って仕様内容と需要量を層別し、
①製品在庫で対応
②部品・ユニットを持ち、受注仕様でそれらを組み合せて製品化
③共通素材を持ち、受注仕様で加工したうえで最終組立して製品化
④一部受注仕様で設計し、資材調達、加工、組立を経て製品化
の4つに分けて生産体制を構築する。
※ABC分析=「重点分析」とも呼ばれ、沢山のものを整理して、大事なものから順に並べ、プライオリティをつけて管理していく手法。
(2) ネック工程の能力を最大限に発揮する生産編成であること
顧客要求に対応しようと思ってもネック工程が障害となり、全体の生産量が抑制されてしまう。
①ネック工程の改善を最優先とすること
②その工程の能力にすべての工程(協力企業も含めて)の能力を合わせる編成をすること
が重要となる。
(3) 生産期間短縮を実現する生産編成であること
生産編成とは、部品構成表にその加工・組立工程(工程、業者、時間、単価、日程、など)を関連付けて整理したものである。
部品構成表に従って加工・組立工程を編成。極論すると部品毎に一貫した加工・組立ラインとするのだから、工程間の待ちや、運搬ロス、仕掛のロスなどが発生しない編成が重要である。
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