【039見込み生産:基準情報】 歩留まりは変えられないと思うべからず
- 生産管理のべからず集
所要量を決める際の基準情報の1つである歩留まり・収率は、改善目標を立て、その目標に応じた設定とすることで、過剰在庫の発生や材料費の増加の抑制につながる。
ねらい:コスト
キーワード:所要量計算、歩留まり
基準情報の不備はムダを生み出す!
生産量を決める際には、受注量を元にして、歩留まり・収率を考慮して、各工程での必要生産量を決める必要がある。また、購入量を決める際にも、同様に歩留まり・収率を考慮する必要がある。このように、生産や調達の必要量を計算することを「所要量計算」と呼び、所要量計算を行う際には、計算の基準となる基準情報の設定が必要となる。
部品表(BOM)や歩留り・収率に代表されるような基準情報は、生産量・調達量を決める際の係数であるため、この情報が間違っていると、不必要なものまで生産したり、欠品を起こしたりする。
歩留り・収率の改善目標設定とその基準情報への反映
歩留り・収率は、工場における改善対象としてよく設定されるテーマである。歩留り・収率の改善は、購入する原材料コストを減らすことになるのはもちろん、不良品をつくってしまう生産時間(コスト)の削減にも効いてくるためである。
したがって、期初の工場目標を立てる際には、「歩留り・収率○○%向上」といった目標が掲げられることがあると思う。そこで重要なのが、その目標に応じて基準情報における歩留り・収率の設定値も合わせて変更しておくことである。
こうしておかないと、せっかく目標どおり改善が行われても、生産計画が以前の歩留り・収率のままになっているために、必要以上の生産を行ってしまい、改善効果が実際のコストダウンに繋がらないといった事態が発生してしまう。
このように、基準情報は、改善活動における目標値などに応じて随時見直しを行っていく必要がある。そうすることで、改善活動の結果が実際のコストダウンの数値として刈り取ることができるようになる。
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