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【049個別受注生産:生産計画】 計画間の整合性を忘れるべからず

  • 生産管理のべからず集

個別受注生産の生産計画では、各部門の部分最適な計画を寄せ集めても、よい計画管理を行うことはできない。上位計画から下位計画への首尾一貫した整合性が肝要である。

ねらい:納期
キーワード:全体最適計画、職場別計画

各職場の部分最適計画は全体の不整合

 生産管理の計画管理体系は、最上位の経営計画(年度や中・長期計画)から現場の作業計画に至るまで、首尾一貫した、整合性の取れた、一元的な仕組みでなければならない。
 個別受注生産では、操業度計画、物件別大日程計画、中日程計画、小日程計画、作業計画と順次詳細化・具体化される計画と、作業手配・指示、作業、そして実績回収と実績消込み、評価へと連なる体系である。
 ここでいう、一貫性、整合性、一元化とは、上位の計画項目・内容を受けて、その範囲内に下位の計画が矛盾なく立てられることを指す。これは当たり前のことであり、どの会社でも生産管理の新人にはそのように教えるはずである。しかし、現実には、工程間の進み遅れやトラブルから、上位計画の枠を無視した計画を各職場が部分最適視点で勝手に立てて、不整合の責任を擦りあっている姿が多く見られる。

全体最適計画が生産管理部門の役割

 原則は、上位計画の日程・数量範囲内であること(一貫性)、計画項目・内容(品種、品目、品番の区分)が同じであること(整合性)、生産管理部門ですべての計画を掌握すること(一元化)である。
 具体的には、大日程の範囲内に、中日程の「加工、小組、大組、総組」を計画すること。次にその中日程の範囲内に部品やユニットそれぞれの加工、小組、大組、総組を小日程として計画することである。小日程や作業計画を組むときに、この範囲を超える計画や順序の変更は、前後工程の混乱を引き起す。
 また、個別受注生産の中日程や小日程でもう1つ大切なことは、物件別計画を、それを実行する各職場別計画に変換することである。職場別計画は往々にして部分最適に陥りやすい。
 複数の現場、工場にまたがる計画を、各部門に独自に立てさせたのでは、整合性が取れない。全体最適をねらい、生産管理部門で、整合性の取れた一貫した計画を一元的に作成・指示すべきである。
 「計画作成と管理・統制を一元的に行って、計画を実現させること」が、生産管理部門の役割であり責任である。

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