【051個別受注生産:生産計画】 どんな場合でも目標を忘れるべからず
- 生産管理のべからず集
事業目標を達成するように目標能率を設定し、それを次の生産計画に適用、改善策の検討と実施を促す、すなわち「実行部門に対して能率向上を仕掛りけること」が、生産計画の役割である。
ねらい:生産性
キーワード:事業目標、目標能率
計画以上の結果は出ない
本項はNo.50の「守れない計画を立てるべからず」と表裏の関係にある。守れる計画を立てようとするあまり、実行部門の成り行きの実力に合わせることを重視してしまうと、事業目標を達成できない計画ができ上がるおそれがある。
計画とは「そのどおりになること」を目指して作成されて、実行部門が従うものだから、計画どおりの結果が出るのがベストであり、計画より優れた結果が自然に出ることはあり得ない。
事業目標を達成したいなら、そうなる計画を立てない限り、初めから勝負は決まってしまう。成り行きの実力に合わせた計画を作成しておきながら、実行部門にそれ以上の水準の成果、たとえば工数削減を期待したり要請したりするのは合理的ではない。
計画で実行部門を改善に導く
計画部門は自ら作成した計画を通して、事業目標を達成できるような成果を、実行部門が出せるように導いていくという大切な役割を担っている。そのためのポイントは次のどおりである。
①事業目標(端的に言えば目標損益)から、対象物件で達成すべき目標能率(標準工数に対する目標工数の比率)を設定。目標能率は全工程一律の値とすることもあるが、各工程の性質に応じて能率向上の難易度を勘案し、工程別に設定する方がより合理的である。
②その目標能率を前提として生産計画を作成。この計画が実現すれば事業目標も達成できるという計画である。ただし、この段階では計画を実現できる根拠はまだないため、次項が必要になる。
③各工程がその計画を実現するために必要な改善策を、実行確実な内容になるまで徹底的に具体的に考える。No.52でも述べるように、希望する姿を示すだけが計画ではなく、希望する姿を実現する方法を事前に考えるのが計画である。したがって、改善策の検討を実行段階に先送りせず、全社の知恵を結集して具体的な改善策を事前に検討すべく、計画部門が主体的に動くことが大切である。
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