【052個別受注生産:生産計画】 基準日程・負荷量見積もりを怠るべからず
- 生産管理のべからず集
個別受注生産は、当該期間の複数案件が具体化するまでは正確な日程が見えない。そのため、基準日程を前提として負荷を山積みし、能力対策を打つ。
ねらい:納期
キーワード:基準日程、能力対策
基準日程はある? 負荷山積みと能力対策はしている?
基準日程とは、仕事の対象となる製品や部品などの着手から完成までの所要日数を標準として定めたものであり、日程を決める物指しである。商談にあたって、お客様の要求納期に応じることができるかどうかをまず判断するのに、この基準日程を使う。
基準日程が整備されていない企業や製品では、納期回答をするために具体的にスケジューリングをしていては商談が進行しないので、顧客の言いなりの納期を回答することがある。しかし、結局は工程混乱などの問題を引き起こし、納期を守れない。
基準日程は、平均的な仕掛り量を前提として設定したものである。すなわち、実際の受注物件の重なり具合と必ずしも一致していない。いわば「大体このくらいの日程があれば、工程を通過するはず」といった経験則だ。
したがって、基準日程を用いて個々の物件の納期を決めただけでは十分ではなく、実際の具体的な受注物件の負荷を山積みして、能力を超える場合は能力対策を行わなければならない。
納期遵守を優先し、能力対策で基準日程に収める
まず、製品別日程計画に記された各物件を、職場別日程計画に展開して、複数案件が重なった状態のスケジューリングを行う。具体的には、負荷山積みが日別稼働時間や週別稼働時間をできるだけ越えないように各案件の日程を調整しながら、着手日程の早い物件から順に日程の線を引いていく。
その際、各物件の日程の調整範囲は、原則として基準日程の範囲内でなければならない。なぜなら、どれか一工程でも基準日程の範囲を超えて前倒しあるいは後倒し(遅延)させると、製品別日程計画が崩れて将棋倒し的に混乱を発生させる原因となるからである。基準日程の範囲を超えて線引きしたときは、関係する前後工程との整合性を漏れなく確保する慎重な調整が必要となる。
日程調整を基準日程の範囲内に収めた結果、負荷が能力を超える期間に対しては、能力対策を実施する。定時能力線を越える部分について、残業、休出、稼働時間の変更、応受援、協力企業への転注などの対策を、受注・引合案件の計画の都度打つことが基本である。
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