【058個別受注生産:基準情報】 こむずかしい計画基準をつくるべからず
- 生産管理のべからず集
計画を立てるのに用いる計画基準の粗さ・細かさには注意が必要である。立てようとする計画に合う粗さの計画基準を用いないと、かえって精度が悪い計画ができてしまう。
ねらい:納期
キーワード:計画基準、計算の正確性
何でも詳細レベルを使えば精度がよいのか?
ここで言う「計画基準」とは、
・どんな製品があり、その製品がどんな部品から構成されているのかを示す「製品種類」とその「部品構成表」
・それらの製品の組立工程と各部品の加工・組立工程の「工程展開」
・各工程での作業手順を決め作業時間を設定する「手順展開」
といった、計画を立て管理するための標準類を指す。
計画基準の整備は、計画の役割(粗さ)と時間の管理単位(月、週、日、時)の違いに応じて整備することが大切である。前記の計画基準類は、組立図・部品図・素材図の詳細レベルであり、小日程計画や作業指示に対応するものである。
何でも詳細レベルで計画すれば「計算の正確性」は保たれるが、たとえば、詳細レベルの計画基準を用いて年度計画を立てて、本当に「計画の精度」が保てるのか。具体品番のメッシュで年間を予測しても的中せず、「木を見て森を見ず」になるだけという意味である。
大・中・小日程計画の目的に合った計画基準を整備
個別受注生産の生産計画は、一般的に、物件別に立てる大日程計画と、工程別に立てる中日程計画および小日程計画に分けられる。これらの計画は、単に計画対象期間の長さが大中小ということだけでなく、計画の区分(製品レベル・主要構成機器レベル・個別部品レベルの区分や、製品品種・品目・具体品番レベルなどの区分)と時間の管理単位(月、週、日、時、分、秒)が異なり、それぞれ適した役割を担っている。
計画基準類も、これらの計画の役割に応じた粗さにまとめ上げることが必要である。たとえば、個別受注生産の物件別大日程計画を立てるためには、詳細の計画基準類から代表品番(もっとも量の多いもの)と仕様構成割合を考慮して、製品レベルに積み上げ・集約した「大日程基準類」を整備しておくとよい。同様に、中日程計画を立てるためには、詳細計画基準類を主要機器別に積み上げ・集約した「中日程基準類」を整備しておく。
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