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【070原価管理】 実際原価だけで評価するべからず

  • 生産管理のべからず集

製造原価を評価する際には、計画した原価である標準原価と、実績の原価である実際原価を比較して評価する。

ねらい:コスト
キーワード:標準原価、差異分析

実際原価だけでは評価できない

 期初の利益計画を立てる際には、売上を決める販売計画と、製造原価を決める操業計画(生産計画)をそれぞれ立てて計画する。
 それに対して、実績として販売実績・生産実績を元に、利益の実績が算出される。この計画と実績を比較することによって、はじめて経営の方向修正や追加施策などの対策を考えることができる。
 経営としては、全体の結果指標としてこのように計画と実績を比較できればよいが、実際の対策を打とうとすると、どの分野の業績が良いのか悪いのか、さらにどの製品の利益が出ているのか、計画どおりできているのかといったことがわからないと対応できない。
 そのためには、計画時点での製品別原価、実績としての製品別原価をきっちりと把握することが望ましい。

標準原価と実際原価の差異分析

 計画時点での原価を設定するのが、標準原価である。標準原価を設定することで、上述したように実際原価との比較を行い、具体的に対策を打つべき対象が明確になるとともに、標準原価が正確であれば、その分利益計画の精度が向上し、計画に基づいた会社運営ができるようになる。
 標準原価は図に示すとおり、原価費目ごとで、あらかじめ算出根拠となる数値の標準的な値を設定しておき計算する。
 このようにして設定した標準原価と実際原価を比べ、差異がどこに発生しているのか明確にしていくことが必要となる。
 この差異比較では、先ほどの原価費目を計算する元となる構成要素ごとで比較すると、その原因がわかりやすい。
 たとえば、材料費において、標準と実際が「使用量」の差で起きたのか、それとも「単価」の差で起きたのか、というような具合に見ていくのである。

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