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YWT(やったこと・わかったこと・次にやること)

YWT(やったこと・わかったこと・次にやること)とは、日本能率協会コンサルティング(JMAC)が開発した振り返り・リフレクション(内省)の考え方・実践手法である。

Y(やったこと)

Y(やったこと)は、一人ひとりの成長への挑戦である。計画や仮説を立て意図することを成し遂げていく中で、大小問わず一人ひとりの努力や工夫があり、偶発的な発見もある。こうした日常の現実を直視し、計画と実態の差を把握する。想定しなかった事態が起きたら、その背景や意義から振り返ってみる。そうすることで、現実に基づく振り返りの入り口に立つことができる。

W(わかったこと)

W(わかったこと)は、一人ひとりの気づきや学びであり、個性の表れである。同じことに遭遇しても、人によって気づきはさまざまである。それぞれの人生経験、価値観や感性の違いから、現実に認識や体感の味わい方もひとそれぞれである。一人ひとりの気づきや自分が感じたことを自覚して表に出すことで、内省を深め自らを変えていく思いを強めることができる。

T(次にやること)

T(次にやること)は、未来の創造である。「やったこと」が当初の計画どおりに進まなかったということは多々ある。やったことの結果が失敗であっても、さまざまな発見があり、そこからわかったことを活かして、次の計画や行動に反映する。このように前向きで創造的に進めていく姿勢が大事である。"次に何をやるのか"を自分と対話することで、次の力強い一歩を踏み出すことができる。

YWTの実践

下図に示すYWTシートに整理し、定期的に振り返りを実施する。

YWTシート

YWT開発の背景と現状

YWTはJMACが1990年代に開発した「技術KI計画」によるKI活動の中で生み出された。YWTが生まれた当初は、KI活動の取り組みを振り返る際に、「やったこと→わかったこと→次にやること」をストーリーにして、成果を創出したプロセスやそこから得た教訓を重視するという考え方のもとで使われていた。

「技術KI計画」のKI活動においては、「うまくいったこと」「うまくいかなったこと」すべてが財産であり、次にどう活かすかが重要であるとの姿勢をとっている。したがって、反省・チェック・コントロールは禁句としている。YWTも進捗を管理するものではなく、あくまでも自分のために前向きな姿勢で用いるべきとする思想が原点である。

その後、KI活動で実践的に使われ続け、技術者一人ひとりの成長を促すための自律的な振り返り手法として定着し、今日に至っている。技術者の知的生産性向上を目指した「技術KI計画」とその発展としてのナレッジワーカーを対象とした「KI」の30年近くに及ぶ普及とともに、世の中に広く紹介され続け、今や産業界の垣根をこえ、ヒトの成長を担う教育界の人材教育にも広がりつつある。

他の手法との違い

世の中の振り返り手法としては、他にもPDCA(Plan,Do,Check,Action)やKPT(Keep,Problem,Try)などさまざまなものが紹介されている。YWTの最大の特徴は、業務を軸としたものではなく、人を軸とした振り返り手法であるということ。YWTは自律的な人の成長を目指す目的で使うのが本質である。

業務の振り返りだけでは、やったことの進捗率だけがクローズアップされ、一人ひとりの個性が埋没してしまう恐れがある。一人ひとりの個性を尊重し、潜在的な能力を信じることで、人を軸にするYWTが持つ本質的なリフレクション(内省)の効果を引き出すことができる。それを組織で共有し相互に刺激し合うことで組織の学習を促し、人・組織が成長していくことになる。

(文責:星野誠 JMACチーフ・コンサルタント)

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