ORDLIX(Organized Design for Line & Crew Systems)
ORDLIXとは
ORDLIX(オードリックス)とは、ライン作業や連合作業などに対して、必要生産量に対して最適(最少)の配置人員の製造システムを設計する手法である。IEの方法工学(メソッド・エンジニアリング)の技術を効率的に活用した手法である。この手法はJMAC元常務、故門田武治が開発したもので、現在でもSHIPS-ME等という名前でコンサルティングの場で用いられている。
オードリックスは、定員適正化という名前で、1960年代後半から、コンサルティングの場で使われ、1977年にネーミングを行い雑誌にその事例を発表し、1981年に『オードリックス-定員適正化の新手法』という書籍で手法の内容を発表した。セールスポイントは「配置人員(定員)半減の手法」というものであった。
ORDLIXの特徴
門田はオードリックスの特徴として次の5項目を挙げている。
(1)工学的アプローチ
(2)デザインアプローチ
(3)組織的手順
(4)着想の効率化
(5)創造力の解放
現場は常に変動している。その現場を論理的改善するために、パフォーマンスの変動を切り離した抽象的な製造方法のモデルを作る。これが(1)である。そしてこのモデルとしての製造システムの定義付けを行う。製造システムのインプットの状態、アウトプットの状態を定義付け、インプットとアウトプットを結びつけるプロセスを明確にし、現状にとらわれずに最適なシステムを設計する。これが(2)である。そしてその設計の手順を、①現在システムの標準化、②基本設計、③詳細設計の三つのフェイズに分け、さらにそれらを合計約20のステップに分けて、手順通りにやれば、それなりの成果を出しやすいように構成している。これが(3)である。
さらに、この手順の中で(4)効率的な着想がでるように、基本設計では、すべての作業を対象とせず、そのシステムの中の主要な作業(主体オペレーション)についてのみ集中し、また改善の4原則といわれるECRSについても、まず主体オペレーションのE(排除)について徹底して、次にC(結合)R(入替)を考える。Sは詳細設計でボトルネックの改善の時にだけ考える。等々。
改善を考えるときに、作業時間が適正かどうか、作業者がこの時間で作業できるかが気になって進まないことがある。このようなことを防ぐため、(5)BF(バランシングファクター:人数換算値)という粗い数値を作って立案しやすくするなど、コンサルタントの改善スキルを、クライアントのメンバーにトランスファーしやすいような工夫がされている。
ORDLIXとPAC
門田の開発した手法に別掲のPAC(パック)がある。オードリックスは製造方式(メソッド)の改善を行い、パックは実施効率(パフォーマンス)の向上を行う。順番は、オードリックスが先、パックが後。まず現在の実施効率のレベルを前提として、改善を行い、最少人員の製造システムを設計する。次にこれを標準作業方法として、標準時間を設定してパックで実施効率を改善する。目で見える形を変えるオードリックスを先にやって下地づくりをして、難易度の高いパックを導入する。これが基本手順。
(文責:JMACコンサルタント 石田 恒之)
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