荷役改善(Material handling Innovation)
物流の6大機能(輸配送、保管、荷役、包装、流通加工、情報伝達)の内のひとつ。
「荷役」とは、主に物流現場において調達または注文に対して商品の「入荷(検品)」、「入庫」、「出庫」、「出荷(検品)」などを行う事を指している。生産現場を中心とする経営管理技法であるIE(Industrial Engineering:生産工学)の流用が可能なことから一般的に最も改善活動が盛んな物流機能といえる。
荷役作業の改善(効率化)は、一般的に①稼働率の向上、②能率向上、といった目的(ねらい)で進められることが多い。稼働率の向上とは、仕事をしたくてもできないか、仕事をしていない状態(手待ち、無駄な歩行、会話など)や本来その仕事では不必要な作業(商品探しなど)を徹底して排除することである。能率向上とは、仕事の方法を改善し、もっとも少ない工数で作業ができるようにしたうえで、その方法を守りながら世間的に妥当と思われる速さで作業が行われるようにすることである。
ただし、業種や業態により業務特性には大きな違いがある。たとえば、重量品や嵩もの、不定型品、小物品、精密部品、液体や粉体品、フレッシュ品(食料品や医薬品)などである。
そこで、それぞれの業務特性ごとで改善課題を把握・認識するには、その場に合わせた"分析手法"が必要となる。改善課題を正しく掴む分析法は、いま必要としている「改革の目的」とそこでの「職場・業務特性」で選択することになる。
これまでは前後工程(生産・販売等)の制約を前提とした効率化が中心であったが、"ロジスティクス"という全体最適視点の高まりから、荷役単体での機能改善に留まらない多機能、または総合機能での改善活動が主流となりつつある。
また、労働人口の減少下において重労働が伴う物流現場では、①やり方(Method)改善、②パフォーマンス改善、③資源活用改善と並んで、自動化、作業補助ツールの活用が注目されている。
(文責:JMACコンサルタント 岡 卓也)
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