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組織文化診断

 組織文化とは、組織を構成する一人ひとりの『心の習慣』の総和である。『心の習慣』は、組織の中での成功・失敗の体験等の積み重ねにより学習結果が蓄積され、社員一人ひとりの心の中に根づき、『暗黙のルール化』され、うちらしい日々の仕事のやり方・判断基準などとして現れる。同じ企業の中でも、部門・部署でマネジメントの仕方が異なると、別の組織文化が生まれる。

 組織の成果やプロセスに問題意識が無い場合、組織文化はさほど気にされない。しかし、環境変化などにより組織が革新に向かわなければならないとき、組織文化が革新の障害となる場合が多い。「うちの社員は真面目でね」が「言われたことしかやらない」、「上意下達が徹底している」が「上にモノを言えない」、「一体感があって仲が良い」が「仲良しクラブで出るくいがあると打たれる」といったように、プラス面よりマイナス面がクローズアップされてくる。また、複数の組織が統合された場合も、複数の組織文化=日々の仕事のやり方・判断基準などが相容れず、成果やプロセスに支障をきたすこともある。組織文化のマネジメントは、成果やプロセスのマネジメント以上に重要とも言える。

 マネジメントの対象は、まず可視化することが不可欠である。組織文化も同様で、組織文化診断とは、そのツールであり、従業員の意識調査(アンケートやインタビュー)によってなされることが多い。ただし、可視化しただけでは、解決策が出てこないことも多い。したがって、組織文化診断を行なう際は、何を誰のために可視化し、それを今後どのように活用するかを踏まえて行なうことが重要である。

JMACの組織文化診断OPECS

 JMACでは、クライアントの経営課題解決を支援する際、まず現状分析を行なう。成果・プロセス面はもちろんだが、組織文化面についても、従業員へのインタビューや組織の歴史(成功・失敗体験など)を把握する。経営課題解決を推進するために、組織文化を踏まえて、やる気スイッチの箇所を工夫したり、変えるべき『心の習慣』を明確にしたりするためだ。その経験をもとに体系化したものが、組織文化診断OPECSという意識調査ツールである。どのような経営課題であっても求められる『人と組織が力強く成果に向かえる』状態か否かを、現状の組織マネジメントに対する従業員の意識実態により見える化し、課題と目標の設定につなげるツールだ。

 「言われたことしかやらない人」がいるから問題ではなく、環境変化への対応の遅れや組織・個人間での業務の抜け漏れが問題である。「上にモノが言えない人」がいるから悪いのではなく、問題と思える事態が放置・隠匿されることが問題である。「出るくいが打たれる」ことは問題ではなく、変革ビジョンに基づいた個人目標が却下されることが問題である。また、職場マネジャーの問題意識に反して、現場メンバーの問題意識が低いことも問題である。以上のような成果・プロセスにつながる組織マネジメント上の問題を、その組織のマネジャーおよび組織構成員が共通認識し、一体となって日常の仕事・マネジメントの何を変えていくことで『力強く成果に向かえる』状態に向かうことが、OPECSのねらいである。

文責:JMACコンサルタント  才木 利恵子)

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