【002生産管理概論】 生産管理の目的
- 生産管理のべからず集
生産管理の目的は、お客様の満足が得られるように、経営理念や方針に従って日々の生産活動を効率的に行うよう管理することで、経営目的とその目標を実現することである。
ねらい:経営目的の実現
キーワード:事業継続、生産管理の要件
生産管理の要件
経営目的を「今の事業で利益を上げ、明日も継続して事業を営むこと(事業継続の原則)」と考えた場合、一番重要なことは、お客様に満足していただき、その対価としてお金を払ってもらうことである。
利益を上げるには、お客様に満足していただくことと、その対価としてお金を払ってもらうことが必要となる。
利益の目標額は、お客様の満足度に比例して設定されることになるが、満足度が高ければ継続してお客様に買っていただけるであろうし、売上代金の回収もスムーズにいくに違いない。
お客様に満足していただくには、品質の安定(Q)、納期の遵守(D)、妥当な価格©の3つの条件を最低限満たす必要がある。
つまり、生産管理の目的は経営目的の実現の前にQ・C・Dの向上を通してお客様の満足度を高めることである。
生産管理は、日程・時間軸を基軸に計画し統制するものである。日程を決める計画条件として、Q・C・Dの水準を設定し、それが守られるように統制する。その理由は、Q・C・Dは別々に決まるものではなく、「作業するその一瞬に同時に決まる」からである。
上記の顧客要求を満足するための生産管理の要件は、以下の4点である。
①操業度の維持・向上を図り、「損益分岐点」を引き下げること
②生産期間の短縮を図り、「納期競争力」を高めること
③仕掛・在庫の削減を図り、「棚卸資産回転率」を高めること
④生産性の向上を図り、「コスト競争力」を高めること
⑤設計品質、製造品質の水準とバラツキの管理を図り、「品質水準」を高めること
要件として「品質水準の維持・向上」を入れなかったのは、使用品質が悪ければ市場競争に参加できない、つまり、その資格がないからである。使用品質を満足するように、設計品質、製造品質の水準とバラツキを管理することは、当然のことといえる。
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