人員配置を固定するべからず
- 物流のべからず集
人員配置が固定化していることで、要員不足、手待ち要員の発生などの工程間アンマッチが発生していることがある。人員配置をどれだけフレキシブル化できるかが最適化のポイントである。
ねらい:人員配置の最適化
キーワード:多能工化、全体進捗管理
今起きている状況をどれだけ捉えられるか、伝えられるか
物流現場を見渡すと、
・慌ただしく動き回って何とかこなしている工程
・マテハン機器などの能力オーバーによる作業待ち
・前後工程の遅延、トラブルによる手待ち
などが、単体ではなく複合的に発生している場合がほとんどです。
こういったアンバランスが発生する原因は、当事者が「自分たちは異常に気づいているから大丈夫だ」と思ってしまうことです。
現場で作業をしている者にとって、自身が担当する工程がいかに遅れないかということに注力して作業すること自体は、間違っていません。しかし、人手が不足したり余剰が出た場合に、結果として自身・自工程だけで対応できなかったり、かなりの時間を要し、前後工程に大きな迷惑をかけてしまいます。
計画していた業務・作業進捗に対して実態とのギャップ(トラブル、遅延、手待ちなど)が発生したら、以下のステップを迅速に行うことが重要です。
①ギャップに気づく←まず各自が行う最重要事項である
②ギャップ発生要因を把握する←周りの助けも取り入れて発生原因を追求する
③ギャップを伝える←作業者は工程責任者に、工程責任者はさらに上長に
問題発生時のリスクヘッジ(リカバリー体制)を整備しておくこと
次は発生した問題に対しての対応策(リスクヘッジ)です。
残業対応・前後工程から都度人員収集・事前に余剰人員を手配しておくといった手段では、生産性(コスト)、品質ともに大きなロスが発生してしまいます。
物量波動の大きい現場・追加要員の手配が困難な現場では、こういったことが日常的に起こっています。
これらを防ぐためには、人員配置をフレキシブル化する、すなわち「単一作業から複数作業できる多能工化する」ことが防衛策として有効です。
全員がすべての工程をできる必要はなく、熟練度別、工程の類似性などの視点から多能工化できる人員フォーメーションを整備することが重要です。
多能工化範囲を大きくするポイントは日常から「誰でもできる作業設計」を心掛けることです。
(文責:岡卓也 チーフ・コンサルタント)
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