工程間にものを滞留させるべからず
- 物流のべからず集
工程間の滞留は在庫を増加させるだけでなく、本来実施しなくてもよい運搬や積み降ろしといった余計な作業を発生させる。効率的な物流作業のために滞留は最小化することが重要。
ねらい:
工程間滞留の最小化による場内物流作業の効率化
キーワード:
同期化、ストックポイント
ものの滞留が場内物流作業の効率性を阻害する
工程間に発生する仕掛り(滞留)は、本来、工程間の能力のアンバランスに対する緩衝剤としての機能を果たします。工程間の能力のバランスがとれていない場合、工程間仕掛りがないと後工程で作業が実施できず、作業者は手待ち状態になってしまいます。これを防ぐために、工程能力のアンバランス箇所にストックポイントを設け、効率的な現場運営をしています。
ところが、これ以外にも、たとえば「ある部品の加工が遅れて組立に着手できない」「工程が空いていたためある部品を前倒しで生産した」などの理由で、決められた以上の仕掛りが発生するケースを頻繁に見かけます。
このような場合、他の部品が揃うまで一時的にどこかに保管する必要が生じてしまい、本来実施しなくてもよい運搬や積み降ろし等の余計な作業が付随的に発生することになります。
工程間の同期レベルを上げることで滞留をなくす
余計な工程間滞留をなくすためには、工程間の同期レベルを上げることが必要です。同期とは、工程間がタイミングを合わせて所要量を生産することです。
同期レベルを上げるためには、以下の取組みが必要です。
・生産現場:
工程内外の生産タクトを合わせる。同時に工場全体のスループットを低下させないように、ボトルネック工程の生産能力を向上させる。
・生産管理:
各部品が集結する塗装や組立工程などにおいて、必要な部品が必要なタイミングで届くように生産計画を組む。また、生産計画の進捗状況を把握して遅れが発生している場合は挽回策を検討するか、他工程の生産順序を変更することで同期レベルを維持する。ボトルネック工程を最大限稼働させる生産計画を組む。
余計な工程間滞留をなくすことが、結果として余計な積み下ろしや運搬作業をなくすことに繋がり、効率的な物流作業を実現できるのです。
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