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変動が当たり前だと思うべからず

  • 物流のべからず集

 物流センターでは、日々の出荷オーダーに基づき作業が行われるため、仕事の繁閑差が大きくなるのが一般的だが、必ずしもすべての作業が影響するわけではない。事前にできる作業を見極めることや予定情報を活用することにより、仕事量を平準化することが重要である。

ねらい:生産性向上、リードタイム短縮
キーワード:前段取り作業、入荷予定情報、作業計画

物流センターの仕事量に波が出てしまうのは仕方ないのか?

 物流センターは、一般的に工場と比較すると仕事の繁閑差が大きくなる場合があります。基本的に、出荷オーダーに基づき作業が行われるため、需要変動の直接的な影響を受けてしまうからです。その結果、過剰に人員を抱えてしまうことや逆に人員不足になり残業が発生しやすくなります。
 しかしながら、物流センターで行うすべての作業が影響するといえるでしょうか? 出荷に関連する作業はまだしも、入荷関連作業や在庫管理作業などは必ずしも影響を受けるとは言えません。また、出荷関連作業であっても、先行して事前に行える作業もあるかもしれません。つまり、先入観を持つことなく、作業特性を把握し、事前に行える作業と都度行わなければならない作業を識別することが重要です。
 また、出荷オーダーについても、季節変動や曜日変動などの特性を把握し作業量を予測することや、顧客からの受注予定情報を収集するなど、できる限り計画的な作業を行える環境づくりも重要です。

特性分析に基づく作業分析と作業計画が成功のカギ

 物流センターの作業は大きく分けて、入荷・入庫作業、出庫・出荷作業、保管作業、流通加工作業に区分できます。そのうち、顧客の需要変動を受けやすい出庫・出荷作業をベースに作業計画を作成し仕事量を山積みし、その状況に基づきその他の作業を割り当てることで仕事量の平準化を図ることができます。
 しかし、それぞれの作業にも時間的な制約も多く、平準化が難しい場合には、個々の作業を分析し、時間制約がある作業とない作業に分類することが有効です。たとえば、よく出荷する組み合わせを事前にキット化しておく、数を数える手間を省くために10枚ずつの束をつくっておくなど、事前に段取り作業を行うことです。
 さらに、過去実績を分析し受注傾向を把握することや顧客から受注予定情報や入荷予定情報を収集することで作業計画精度を高めることも有効といえます。
 物流センターの仕事量を平準化することで、大きな生産性向上が実現できます。

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(文責:茂木龍哉 シニア・コンサルタント)

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