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第46回 「CS(Customer Satisfaction 顧客満足)の基本的考え方とこれからの方向④」

  • 営業・マーケティングの知恵ぶくろ

笠井 和弥

豊かな企業は顧客満足度と従業員満足度が高い

顧客満足向上を目指し色々な取組みを実施すると、満足度が上がらず停滞してしまう時期(停滞スパン)があり ます。
なぜこのような状況が起こるのでしょうか?顧客は、商品やサービスに満足すると、より高い品質やサー ビス価値を求める傾向が強くなり、同じサービスでは満足が感じらなくなるからです。

企業は、顧客の高評価に甘んじず、更なる品質向上に向け、次の仮想目標を描き、継続実践していかないといけないのです。
そのため、トップは、従業員に「顧客から良い満足評価を得てもそれがゴールではない。自社商品・サービスに 執心してくれる熱狂顧客づくりを目指そう」などというメッセージを発信し、部署・個人毎の具体的な目標を 設定させ、相互刺激を与える仕掛けが大事です大切になります。

(下図参照)

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企業や従業員が豊かかどうかは、企業が提供する商品やサービスが顧客からどう評価されているかをみれば判断できます。
基本的に顧客を満足させるのは第一線の人たちです。
従業員が持てる力をフルに発揮し、いきいきと仕事をする環境ができることで、いい商品・サービスを創り、それが顧客に受け入れられることで、顧客ニーズに貢献しているという実感を持ち、そのことが働きがいにつながり、更なる成長に向け仕事への取組み意欲が高まるのです。

第一線の従業員が職場や上司に不満を持ち、意見を申しても何も手が打たれず放置されたままの状態が続くと、"あきらめ社員"となって仕事の質が下がります。
そのような社員が関わった商品やサービスでは、顧客を満足させられず、業績も悪化することは明らかです。企業経営者としてこのような"あきらめ社員"の種を潰すことは、極めて重要な課題です。

従業員満足度で何に着目し、どう対処するか・・・

それでは、どうやって従業員に働きかければよいのでしょうか。
人は、働く上で以下のような想いを持っています。

●自分の仕事が重要な意味を持っていることを全員に知ってもらいたい

●職場の仲間の成果をこころから賞賛しあい、職場全体が一体になった仕事をしてみたい

●職場の仲間と協力し合う喜びや大きな事をやり遂げた達成感を味わいたい

●自分が賞賛され、正しく評価させる満足感を味わいたい

●仕事を通じて自分が成長しているという実感を味わいたい

以上の点を踏まえ、従業員満足の視点をいくつかあげてみます。

まずは、仕事に対する満足度

●今の仕事が自分の成長に役立っているか

●仕事が、やっていて楽しく自分に合っているか

●自分の仕事が、顧客や会社に貢献している実感ができるか

次に、職場に対する満足

●仲間や上司とのコミュニケーションがうまくいっているか

●自由闊達な風土が形成されているか

●仕事をする上で必要な環境が整っているか

三番目に、組織や人事に対する満足度

●公平公正な人事評価が保たれているか

●スムーズな業務遂行のため責任・権限が移譲されているか

●個人の成長をサポートする人材育成制度が整っているか

四番目に、労働条件に対する満足度

●福利厚生が整っているか

●仕事内容に見合った給与水準が維持されているか

●仕事の実状に応じた柔軟な勤務条件が整備されているか

最後に、経営に対する満足度

●会社の経営姿勢に共感できるか

●会社は、社会とのつながりを意識した活動を行っているか

●会社に勤めることに誇りを持てるか

従業員満足度調査を行うと、色々な不満が出てきます。
その不満の中身をみると、正しく問題認識している社員と方針などを誤解し他責化している社員の意見が混在しています。
これを、そのままにして指摘された不満解消に取組むことは避けなければなりません。
誤解の解消や正しい問題認識をしている社員の指摘に取組むことにより、愛着社員づくりを目指すことです。

CS向上の基盤として、従業員の仕事に対する意識レベルを継続的に把握し、明確になった課題取組みに結びつけることです。
従業員の愛着度は現場レベルで強化されます。
特に、現場リーダーの対応力により大きく差が出ます。
従業員満足度向上のための施策と顧客満足度向上のための施策を並行して展開していくことが、「顧客満足度の 高い企業」を築き上げていく秘訣です。
(下図参照)

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