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第85回 「会議リーディングツールの使い方」

  • 営業・マーケティングの知恵ぶくろ

笠井 和弥

会議の進行をスムーズに行うために、様々なツール(道具)がありますが、主なツールの使い方をご説明しましょう。

視聴覚機器の活用方法

プレゼンテーションで伝えたいことや、方針などの理解を徹底させるツールとして、視聴覚機器があります。視覚だけ聴覚だけの場合と比べて、視聴覚を同時に使ったプレゼンテーションは、相手の記憶力を何倍も高めることができます。したがって、視聴覚機器の特徴をつかみ、ケースに合った最適なツールを使用することは、プレゼンテーションを行う上で大変重要です。

また、話をしただけでは理解しにくい、話の内容が伝わらない、参加者の注意を集中させたい、ポイントを絞り、短時間でプレゼンテーションをしたい・・・。このような場合にも、視聴覚機器が役立ちます。特に、営業方針内容をよく理解させたいときや、営業活動実態を踏まえた課題解決策の検討などには、効果的です(例えば、新商品の訴求ポイントを示す、外出先での活動をビデオに撮って見せる)。

一般的に視聴覚機器と呼ばれるものには、プロジェクター、ビデオなどがあります。どの機器を活用するかは、1.伝達したい内容、2.参加人数、3.会場の広さ、4.他のツールとの組み合わせ などを考えて選びます。

主な機器の特徴を示すと、以下の通りです。

1.プロジェクター
 ・メンバーの目を画像に集中しやすく、説明効果があがる
 ・パソコンを機器に直接つないで、作成した資料などを印刷せず拡大して示すことができる
2.ビデオ
 ・動きがある画像なので、イメージでき理解しやすい
 ・参加メンバーが気楽に見ることができる

どの視聴覚機器を使うにしろ、あらかじめテストを行い、機器の故障をチェックしておく必要があります。

ホワイトボード・黒板の活用方法

ホワイトボード(または黒板)は、討議やプレゼンテーションを行うときの必須ツールと言えるでしょう。討議が始まるときに目的を示したり、討議中や終了後メンバーの発言を要約したり、まとめたりするときに、簡単に使用できます。視聴覚機器の場合は、事前に機器の準備や点検をする必要がありますが、ホワイトボード(または黒板)なら、ほとんどのところに備えつけられているため、使い方次第で、討議やプレゼンテーションの成果が変わります。

mk85_1.jpg

大きなホワイトボード(または黒板)を使う場合は、3つに区切って左側から順番に書くようにします(上図参照)。横書きで、1行20文字くらいを目安にします。字の大きさは、参加メンバーの一番後ろの人が見えるような大きさで書きます。

次の話に移っても、前に書いたところはすぐに消さず、全員の反応を見てから消します。そして、消すときは、漏れがないようにきれいに消します。

小型のホワイトボードは、多人数(40人以上)の出席がある場合には向かないので、注意して使います。参加者全員に見えないのでは、説明の効果も半減してしまうからです。

説明用資料の活用方法

会議やプレゼンテーションで一番よく使われるのが、印刷資料です。この資料をどう使うかも、成功を決める大きな要因の一つです。そのポイントをあげてみましょう。

1.行間にある「心(意図)」を伝えているか
説明用資料をただ棒読みしたのでは、無駄な時間を使うことになり、参加者も退屈し、何のために説明されたのか疑問を抱きます。資料で十分に伝えきれない心・・・何を意図しているのか・・・を、表現する必要があります。に、資料内容をなぞった説明では、参加者と説明者のコミュニケーションが満たされないでしょう。説明者は、文章の行間にある心を伝えることに、時間を費やすことが重要です。

2.参加者のレベルに合わせた資料の説明になっているか
説明するからには、説明者の気持ちが相手に正しく伝わってこそ、成果があったと言えます。そのため、説明者は、聞き手がどういう立場にいる人か、どういう経験あるいはスキルレベルの人かを、十分に把握しておく必要があります。
新人に説明するのに、専門的な用語や表現をしても、相手は理解できずに、ただ聞かされているという印象を持つだけです。相手の立場に立った言葉を使って説明することが重要です。そのためには、説明する人が資料の中身を十分理解して、様々な表現ができるようにしておくことです。

テキストの活用方法

部下を指導したり、社内勉強会を行ったりするときに、テキストを作成し、それを使うことがあります。そのときの留意点を、いくつかあげてみます。

1.部下のレベルに合った内容であるか
目的がどんなにすばらしいものでも、活用するテキストの内容に難しい表現が多く、横文字や専門用語が頻繁に使われていると、部下は理解できません。資料する人がわかるレベルの表現になっているかどうかを、第一のチェックポイントとしましょう。

2.段落を区切った章立てになっているか
テキストを活用して指導を行うときは、ただ読むだけでは理解できないということを、十分踏まえておくことが大事です。テキスト内容がダラダラとしていては、理解できません。マネージャー自身が内容を組み直して、適当な段落をつけ細かく章を区切って、内容を簡潔にしておきます。

3.書き込める余白を設けているか
テキストにしたがって説明を聞いた後、気づいたことを書き込めるように余白を設けておきます。できれば、(テキストが縦型の場合)左側に内容が印刷してあったら、右側に余白を作っておきます。

mk85_2.jpg

(シニア・コンサルタント 笠井 和弥)

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