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カーボンニュートラル(Carbon Neutral)

カーボンニュートラルは、ネットゼロとも呼ばれ、二酸化炭素排出量から吸収量を差し引いた合計がゼロ(ネットゼロ、実質ゼロ)の状態を指す。

二酸化炭素吸収は、主に森林により行われるが、日本の年間吸収量は0.4億トン程度しかない。また、そのわずかな吸収量も森林の成熟に伴い、年々減少傾向にあるため、今後排出量削減が益々求められることになる。日本における温室効果ガス排出量は、年間約11億トン(CO2換算)もあるが、2014年以降は微減傾向にはある。

日本は、2021年4月開催の米国主催気候サミットにて、2050年時点でのカーボンニュートラルを長期目標としたが、現状の削減ペースでは目標には到底届かない。また、その目標と整合性がある野心的な目標として、2030年に温室効果ガス排出量46%削減(2013年度比)を目指すという宣言をし、さらに、50%の高みに向けて挑戦を続けていく決意も表明している。

カーボンニュートラル実現に向けた活動、具体的には二酸化炭素排出量削減活動は民間企業においても必須である。排出量削減策としては、大きく下記5つが考えられる。

  1. 労働生産性向上
    時間当たり出来高向上による稼働時間削減など

  2. エネルギー生産性・資源生産性向上(省エネ・省資源)
    空調に使用するエネルギー使用量の削減など

  3. 低炭素化設備導入
    排熱回収設備等による低炭素化

  4. 低炭素電力への切替え、創エネ
    「生産性向上」「省エネ」「低炭素設備」だけでは成し得ない脱炭素を補うための対策
    例:太陽光発電 など

  5. 非化石証書・グリーン電力、Jクレジット等購入
     ・創エネでは投資対効果が得られないエネルギー使用のグリーン調達 など

上記のうち、まず進めるべきは、①労働生産性向上 ②省エネ・省資源活動である。

二酸化炭素排出量は、活動量×排出原単位にて算定する。そのため、効率的な事業活動を環境負荷の少ない方法で行うことが重要である。そして、その推進においては、施策の着手順が重要である。

低炭素化設備導入や創エネ・再エネ導入などの環境負荷の少ない方法を選択しても無駄な活動をしていては、経済的合理性がない。そのため、まずは、現状の事業活動における徹底的なロスの削減、そして省エネ・省資源化の活動から始めることが重要となる。

(文責:JMACコンサルタント 河合 友貴)