動作分析
動作分析とは特定の作業についてきめ細かい改善を行うときや、歩行を伴う移動が少ない座り作業、短サイクル作業などの改善を行う際に有効となる分析手法である。
作業中に発生する手、足、腕、目の無駄な動作をなくし、より疲れが少なく効率性の高い作業方法を確立することを目的としている。
動作とは仕事を分析する最小の単位である。たとえば、A製品を生産する場合、原料を成形する加工「工程」や部品を組み付ける組立「工程」などがあります。さらにこの工程を細分化すると、材料投入「作業」、機械での切削「作業」へと細分化される。これらをさらに細分化していけば、最終的には「見る」「判断する」「手を伸ばす」「つかむ」「移動する」「置く」「放す」などに細分化される。このもっとも細分化されたものが「動作」である。
「動作」とは人間が視覚的に認識できる最小の人間の行動と言える。
動作分析の手法は、F.B.ギルブレスによって「サーブリック法」が生み出され、さまざまな作業分析手法の基礎となっている。サーブリック法では、人の動作を以下の18の基本的動作要素に分類している。
- 空手移動(のばす)
- つかむ
- 荷重移動(はこぶ)
- 位置決め
- 組み合わす
- 引き離す
- 使う(操作する)
- 放す
- 調べる(判定、比較する)
- さがす
- 見出す
- 選ぶ
- 考える
- 前置き
- 保持
- 避けられない手待ち
- 避けられる手待ち
- 休む
動作分析は時間的にはわずかな動作に目を向けて改善を行うものであるため、改善効果はわずか"数秒"であるかもしれない。しかし、このわずか"数秒"の改善によるサイクルタイムの短縮であっても、生産量が多い製品においては非常に大きな改善効果につながる。
また、生産技術者は動作分析を繰り返し行うことで、動作の必要な要素と不必要な要素を見分け、わずかな無駄も見逃さない分析力を身につけることができるようになる。
(文責:JMACコンサルタント 小田 哲)
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