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第11回 開発・技術マネジメント革新大会

  • R&D・技術戦略

日時・場所

2007年6月13日 9:45~18:30
東京コンファレンスセンター品川 東京都港区港南1-9-36 アレア品川

革新大会 全体レポート

「第11回開発・技術マネジメント革新大会」は、6月13日(水)、東京コンファレンスセンター品川にて開催されました。
300名を越えるお客様にご参加いただき、今年も盛況のうちに終了いたしました。
8名のスピーカーからは、各テーマについての具体的な取り組み、活動内容を紹介いただきました。激しく変化する社会の中でどう革新していくかという本質的な課題に対して、非常に参考になる活動事例内容でした。

基本テーマ

「R&Dの改革・改善をやり抜く“実践力”」

今回で11回目の開催となる開発・技術マネジメント革新大会は、毎年300人以上の方々にご参加いただき、ご好評をいただいております。
今年の大会では、基本テーマを「R&Dの改革・改善をやり抜く“実践力”」とし、開発・技術マネジメントの各分野での先行事例をもとに、皆様とこれからの開発・技術マネジメントを研究・相互交流していきたいと考えております。

貴重講演

『“大企業病”を払拭して技術・品質革新を』
元General Motors Corporation 吉村達彦氏

基調講演では、吉村様より『”大企業病”を払拭して技術・品質革新を』というタイトルでご講演していただきました。
講演の中では、大企業病を払拭する為のAPAT(All the People All the Time)マネジメントと、技術・品質を革新する為の未然防止/GD3(Good Design, Good Discussion & Good Dissection)の考え方を紹介していただきました。 写真
品質を『お客様の期待からの乖離』と定義し、将来起こる可能性のある問題を全員参加で見えるようにして、未然に対処する事が品質向上・技術改革につながるというお話に皆様興味深く聞いておられました。

特別講演

『先進価値創造の為の研究開発現場を目指して』
株式会社本田技術研究所 執行役員 第2商品開発室長
鈴木哲夫氏

鈴木様自身の2輪車開発経験を織り込みながら、Hondaのヒトづくりと研究開発体制の考え方を紹介していただきました。
2輪レース参戦を、技術者が思考体質・チャレンジ精神・あきらめないということ・チームワークを学べる場として、人材育成に活用されている事例を皆様楽しくお話を聞かれていました。
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また、Hondaの個人に焦点を当てた組織風土・文化という強みをどう生み出し活用されているのか、分かりやすく説明して頂き、参考に出来る所も多かったのではないでしょうか。

Aセッション

R&D戦略革新

『新価値創造のための生活研究と文化醸成』
東京ガス株式会社 都市生活研究所 所長 早川美穂氏

東京ガス株式会社都市生活研究所の早川美穂様より同研究所での「新価値創造のための生活研究と文化醸成」の取り組みに関して事例を交えて御講演して頂きました。
新価値を創造する為に、生活者の「こうありたい」という上位ニーズを捉えるという見方や異文化体験による新価値発見という取り組みを浴室を事例に御紹介して頂きました。
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また、新たな生活文化を醸成する為にメディア活動や社外とのコラボレーション等を実施した実際の具体的な取り組みをお話し頂き、会場の皆様は聞き入っておられました。
今後、同研究所から生活者にとって新しい価値が世の中に多く出てくるのではと楽しみになる様な御講演でした。

『「ダントツ商品」が研究開発を変える』
コマツ 常務執行役員 開発本部 本部長 小竹延和氏

コマツは2001年10月に経営構造改革を発表し、その一つとして「もの作り競争力の強化」を挙げました。
本講演では、「もの作り競争力の強化」として取組んでいる「ダントツ商品(①競合機が数年は追いつけない性能を有す商品、②モデルチェンジ時に製造原価を10%以上低減した商品)の開発」について、開発の進め方、開発成果、今後の課題を中心に紹介していただきました。 写真
「選択と集中」、「FACT FINDING」、「仕事の見える化」などをキーワードに、仕事の進め方、仕組みの改善を、各部門が強力に推進し、続々と成功商品が生まれてきているとのことでした。
受講者の方には、開発を成功に導いた工夫や開発の際の苦労について関心を持っていただき、それらに関連した質疑応答を中心に活発な意見交換が行われました。

Bセッション

 開発設計革新

『経営トップ自らが牽引する開発設計総合改革活動』
美和ロック株式会社 製品化推進室長 片山章氏

美和ロック 片山様には、約5年間に渡る開発設計総合改革活動についてお話しいただきました。
「開発部門を元気にしたい」、「お客様に喜ばれ感動を与える新商品を生み出し続けたい」というトップの思いのもと始まった活動を、トップ自らが牽引し、開発設計部門だけを対象とした活動から、品質を基軸にした全技術部門の活動へと発展させてきました。
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現在では、プロセス・チーム・技術基盤の改善テーマへの取り組みが全技術部門で定着し、品質そして経営といった面で、大変大きな成果が得られるまでに進化しました。
その活動の内容を豊富な事例も交えて、ご紹介頂きました。
聴講者からは、活動の5年間での苦労や、リーダーのマネジメントの変化といったところにご興味をいただき、それらに関連する議論が行われました。

『製品設計を変えてモノづくりを変える』
株式会社日立国際電気 縦型技術開発部 主任技師
手操豊氏

手操様の講演では“顧客要求フレキシブル対応型から仕様選択提案型への変革”を目指した“SCRUM活動(Seihin Change Revolution by Using all Manufacturing Activity:全員の力で、製品設計を変えて、生産活動全てを変革する)”について、富山工場での取り組みをお話しいただきました。
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製品設計の改革では、同工場の主力製品の製品設計の固定変動計画による装置構成の標準規格化により、従来よりも設計工数の34%削減を達成。これにより設計者本来の高付加価値業務へのシフトが進んできました。
また、設計プロセス改善については、フロントローディング、標準化・見える化の推進により、従来よりも57%のLT短縮を実現。部門連携においても、標準工期策定や情報共有の推進により、生産能力を大幅に増やすと同時に総合LTの短縮を達成されました。
全員参加の製品革新活動を通して、製品を変え、プロセスを変え、人の意識、組織をも変革する。
その挑戦的な取り組みを、内部の反発にも諦めることなく真摯に取り組んだ姿勢に、受講者からも賛同と共感の声が寄せられていました。

Cセッション

人・組織高度化

『事業化実践チーム研修
~実現力の強化とグループ会社の連携を目指した取組み~』
日本軽金属株式会社 人事部長 杉田俊一氏

日本軽金属様で取り組まれている“事業化実践チーム研修”について、組織・人材開発の視点からご講演頂きました。
設備や飲食物などの研修環境を整備して参加者に知恵を出してもらいやすくする取り組みや、親身に柔軟に対応してくれる講師探しに手間をかけたことなど、現場の社員の方々の力を引き出し・活かすことに強い想いを感じるお話でした。
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研修が事業化の加速やグループ内での情報交換・人脈形成にも貢献しているとのことでしたが、そのためにもスタッフがトップの関与を仕掛け、事業部やグループ会社をうまく巻き込んでいくことが重要だということを再認識したご講演でした。

『「創造と挑戦」の風土再生の為の職場力強化(KI)』
セイコーエプソン株式会社 経営管理本部 人事部長
長田恭直氏

Cセッション第二部では、セイコーエプソン株式会社経営管理本部人事部 部長 長田恭直様より、会社としての命題でもある「将来の成長への基盤づくり」を実現するために社内で行ってきた様々な検討内容と、その結果たどりついた「企業風土改革」の必要性。そして、その実施策として取られた「全社新任課長支援プログラム」についてご講演をいただきました。 写真
セイコーエプソン様では、組織の総合力を発揮するには「価値あるリーダーの行動」が不可欠であるといった考えから、職場の中核をなすミドルマネジメント層の育成に力を入れられてきました。その考えのもと実施された「全社新任課長支援プログラム」を通して長田様が感じられたことを率直に語っていただき、会場からは共感のうなずきをあちらこちらで見ることができました。
新任課長研修の中では、新任課長に求められる役割変革をうながすような新しい試み(目標管理とKIの融合など)が組み込まれ、職場の変革の中心となるよう具体的な事例の中で、部長自ら語りかける研修内容も圧巻でありました。また、職場の活性度を測定するシステム「自律活性度調査」については、社員のディスカッションの中から作り上げられ活用されているといった紹介がされました。これらのいくつもの事例は、多くの参加者から「大変参考になった」との声があがっておりました。
質疑応答では「会社の中で苦労されてきた点が良くわかった」といった感想や、「ミドルマネージャーの育成にどのようにトップを巻き込んだらよいのか」といった同じような切実な悩みを持っている方からの質問をいただきました。

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