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【開催レポート】R&Dサミット第4回 「タイパ時代の人材育成~R&D人材のありたい姿と実現に向けた取り組み~」@京都

  • R&D・技術戦略

R&Dサミットの第4回が11月12日に京都で開催されました。
第4回では「ありたい姿を実現するための取り組み」に焦点を当て、機械、材料、食品などさまざまな業界のR&Dマネジメント層による活発な議論が行われました。

第4回ディスカッション:「ありたい姿を実現するための取り組み」

前回の議論では、R&D人材に求められる能力として、「夢中で遊ぶ」「顧客価値につなげる」「自分で粘り強く続けられる」の3点についての声が多く上がりました。第4回では、これらの能力を身に着けてもらうための取り組みを議論の中心に据え、参加メンバーの意見交換を行いました。

これまでのサミット議論を基にした「若手R&D人材のありたい姿」

自然な形で「遊び」を促す

業務に「遊び」を取り入れることが、創造性やモチベーションを向上させる手段として重視されていますが、実際には遊びの要素を業務にうまく組み込むことが難しいとの意見がありました。自由に遊べる社内制度は整備されているものの、それを主体的に活用する人材が少なく、社内公募やアクセラレータープログラムなどの制度拡充だけでは「遊び」の促進に不十分である可能性が指摘されました。

また、「遊び」を強く打ち出すと、今後は人材が「遊ぶ」ことを意識的にやろうとし、本来的な夢中になるような「遊び」にはならないのではないかという難しい観点も提示されました。制度面以外における取り組みの具体例として、オフィスにリラックススペースを設けたり、個々が興味を持てるテーマを発想できる機会を増やすことが紹介されました。「遊び」を義務化すべきかという点についても話し合われましたが、義務化は逆効果になるリスクもあり、自然な形で遊びを促す方法が求められています。

一方で、「遊び」を強く打ち出すと、今後は人材が「遊ぶ」ことを意識的にやろうとし、本来的に夢中になれる「遊び」にはならないのではないか、という難しい観点も挙げられました。このように、「遊び」を業務に取り入れるには、多角的な視点での工夫が必要です。


顧客や営業との接点を増やす

顧客志向を身につけさせる取り組みとして、開発部門の人材が営業部門とともに顧客先へ訪問して顧客ニーズをヒアリングするという取り組みが紹介されました。開発と営業が連携して顧客のニーズを深く理解することで、若手が顧客ニーズに基づいて柔軟な提案ができるようになることが期待されます。

一方で、営業部隊がまだ存在しない新事業の場合には、マーケティング部門や営業部門に対してR&D部門から定期的に情報発信をする仕組みを作ることが有効であるという意見もありました。このように、R&D部門が顧客の声を聞く機会を増やすことで、価値ある製品やサービスを提供する基盤が整備されます。

過剰なサポートは自主性を削ぐリスクを抱えている

企業が人材不足に直面しているなか、若手社員が着実に成果を出し、早期に戦力として活躍することが強く求められています。そのため、管理職には「若手人材を確実に育て上げなければならない」というプレッシャーがかかり、結果として手厚いサポートが提供される傾向にあります。

しかし、この「至れり尽くせり」な環境がかえって若手の自主性を削いでしまい、主体的な考えや行動が育ちにくくなるのではないかという意見もありました。若手が失敗を恐れずにチャレンジできる環境が重要視される一方で、あまりにも細かく指示や指導を行うと、自ら考え行動する力が養われにくくなり、自己成長の機会が減少する可能性があります。

どこまでサポートすべきかの見極めが必要であり、必要に応じて本人に任せることが、結果的に自主性を引き出し、若手の成長を促すことに繋がるのかもしれません。

参加メンバーの感想(抜粋)

  • 会社全体で「失敗を避ける」文化が強まり、若手の「遊び」を妨げていると感じた。
  • 「育成しないほうが、人が育つのでは?」という考えが出てきた。
  • 育成は「引き上げる」よりも、同じ目線で成長を支える環境づくりが大事だと感じている。

R&Dイノベーションフォーラムのご案内

R&Dサミットでの議論を重ねて練り上げた提案やビジョン、シナリオについては2024年12月2日(月)にJMACが主催する「R&Dイノベーションフォーラム」での紹介を予定しています。皆様のご参加をお待ちしております。

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