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経営層が見ている品質 「トータル品質・価値の追求」

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品質/質に対する経営者の関心事は、製品一品一品の品質や歩留ではなく、顧客に提供する製品やサービスの経営への貢献、顧客満足及びブランドの低下を招かないような最適仕様・コストの実現、それらを実現可能とするための開発設計、製造、サービス提供、経営によるオペレーションの実現であると思われる。

●顧客価値・利益視点に基づいた製品・サービスの提供

最近、日本製品の過剰品質を指摘する声が聞かれる。日本国内では安全性への配慮により必須とされる仕様が、国が違えば過剰品質となり、結果的にコストアップにつながる。例えば、中国では、高価だが故障しにくい電化製品よりも、故障時にすぐに交換可能な安価製品が望まれる傾向にある。つまり、この場合には修理よりも、スピーディーな交換の方が、顧客価値が高いといえる。

●品質思想・文化の醸成

グローバル化の進展により、企業には市場や顧客の文化等を踏まえた製品・サービスの提供が求められている。こうした考え方を経営者のみならず、企業の末端に至るまでが品質思想として持ち合わせることが重要である。

●品質ロスコストの効果的な活用

企業によっては、圧倒的な製品品質やサービス品質の提供により他社との差別化を図っている。しかし、今後は製品・サービスのライフサイクル全般に渡って要するコストとともにトータル品質・価値を検討する必要がある。前々号(本紙vol.2)でお話させて頂いた品質ロスコストの考え方も参考にしていただきたい。

コンサルタントプロフィール

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シニア・コンサルタント 野元 伸一郎

東京理科大学大学院修士課程経営工学専攻修了後、1993年にJMAC入社。一貫して研究・開発分野のコンサルティングを実施。設計品質向上をベースにした開発プロセス革新/コンカレントエンジニアリング、プロジェクトマネジメント、技術ロードマップ構築等を数多く推進している。2012/3に北陸先端科学技術大学院博士後期課程で知識科学博士号を取得。2016/3までJMAホールディングス ASEAN推進センター長を兼任し、AEC(ASEAN経済共同体)以降を見据えたASEANビジネスのあり方、各地域別に求められる製品品質・サービス品質について、研究、事業化を行っている。

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