コンサルタントの視点 「グローバル・オペレーション品質向上に向けた業務プロセスの標準化」
グローバル展開が進む中、品質保証部門のミッションは今後、製品・サービス品質の向上活動だけでなく、業務プロセス品質の向上活動や標準化活動推進、経営品質向上支援など多岐に渡ると思われる。
●業務プロセス標準化の背景
近年、工場はもちろん開発設計部門についてもグローバル展開する企業が増えている。日本ではかつてISO9001取得の際に各拠点、事業所毎に認証を取得してきた結果、品質マネジメントシステムが各拠点によって微妙に異なるということがある。これまで日本国内の事業所間の連携についてはあ・うんの呼吸でオペレーションできたことが、海外拠点とのやりとりにおいてはなかなかスムーズにいかないのが実情かと思われる。
●業務プロセス標準化の方法
拠点毎の別々の業務プロセスを標準化し、業務バラツキを低減させるためには、たとえば、各開発拠点、製造拠点バラバラの業務プロセスを再定義、あるレベルで統一し、アウトプットを標準化、ITネットワークにて業務プロセス、承認行為をフロー化、作成すべきアウトプットのテンプレートを統一し、アウトプットはサーバに蓄積、活用するといった取り組みがあげられる。このような取り組みが加速すれば、担当者による業務バラツキが低減され、かつ休暇に入る担当者、退職する担当者の業務アウトプットも確実に蓄積、引き継ぎが可能となる。加えて、海外赴任などで他拠点、事業所に異動してもすぐに業務を引き継げる。
グローバル展開やアライアンス、アウトソースが促進する中、改めて業務プロセスを整理整頓、標準化し、定義化することが、オペレーション品質の向上とスピードアップにつながると考える。
コンサルタントプロフィール
シニア・コンサルタント 野元 伸一郎
東京理科大学大学院修士課程経営工学専攻修了後、1993年にJMAC入社。一貫して研究・開発分野のコンサルティングを実施。設計品質向上をベースにした開発プロセス革新/コンカレントエンジニアリング、プロジェクトマネジメント、技術ロードマップ構築等を数多く推進している。2012/3に北陸先端科学技術大学院博士後期課程で知識科学博士号を取得。2016/3までJMAホールディングス ASEAN推進センター長を兼任し、AEC(ASEAN経済共同体)以降を見据えたASEANビジネスのあり方、各地域別に求められる製品品質・サービス品質について、研究、事業化を行っている。
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