お問い合わせ

物流BCP(Business continuity planning 事業継続計画)

 BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことである。

 BCPが着目されたのは、言うまでもなく2011年の東日本大震災時だった。多くの企業のサプライチェーンが損なわれ、必要な事業活動が出来ない...というケースが頻発した。その結果企業はBCPに着目し、物流面では「関東一極集中している倉庫を分散する」「関西方面にもう一カ所倉庫を作る」という動きが活発化した。

 しかしこの動きは少数の例外企業を除き、長く続かなかった。BCP目的で倉庫を増やしてもコストが増えるだけで、売上増加に繋がらない企業が大半を占めたためである。現在、物流BCPに真剣に取り組んでいる企業は残念ながら少数であると言わざるを得ない。BCPはリスクマネジメントであり、起こるか起こらないか解らないことへの備えである。これに対して継続的な投資を行うためには、企業(経営者)の強い意志が不可欠である、と言えるだろう。

(文責:JMACコンサルタント 広瀬 卓也)

■関連用語
 物流拠点設計