新工場建設プロジェクトの効率化と、工場業務へのAI実装に向けて
八木 亮介
コンサルティング・サービス
日本の産業界においてもデジタル化・DXの取り組みが加速しています。その一方で、現場情報のデジタル化・「可視化」は進んだものの、現業のなかの改善レベルの効果に留まり、顧客に従来にはない新しい価値提供を実現するまでには至らないケースも散見します。
情報の「可視化」のみのDXから脱却し、新しいビジネスモデル・新規事業テーマを立案するためには、自社に蓄積されたデジタルデータを、顧客にとって価値あるサービスに活用する、情報の「価値化」がポイントとなります。新規事業開発とDX支援の様々な業態・業種で実績・経験豊富なコンサルタントが併走してご支援します。
日進月歩で進化を続けるデジタル技術を活用した新規事業開発では、従来のリニアな検討ステップの開発プロセスでは技術の進化のスピードに追い付くことができません。DX時代の新規事業開発はアジャイル型で顧客との共創によるプロセスを採用することが成功の鍵となります。
【現状】
従来の新事業開発プロセスと大きく異なるのは、
自分たちがそもそも何をやりたいのか、お客様自身も分からずに困っている点
つまり、開発着手前にお客様の仕様が明確になるということはない
【目指す姿】
最終的な提供システムの要件を「あえて確定させず」
最初はリーンスタートアップで、
「お客様と一緒にシステムを進化させていく」のが、
DX時代の新規事業開発プロセス
従来の商流・商習慣の「こういうものだ」という固定観念を捨て、デジタル技術を活用すれば、今日では不要になる要素を洗い出すことで、顧客への価値提供を最大化するための新商流の検討を行います。
① 現行の商流・商習慣の把握 |
自社が参入を検討している業界について、現行の商流・商習慣の構成要素を書き出し、モデル図に表す。 |
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② ボトルネックの抽出 |
現行のモデル図から、事業展開をする上でボトルネックとなる項目を抽出する。 |
③ ボトルネック解消のための 基本方針の検討 |
ボトルネック解消をするための、基本方針を検討する。その際、既存の事業モデルを変えて、何に注力して、何を捨てるのか(足し算要素、引き算要素)を検討する |
④ 蓄積された顧客履歴データを 活用した模倣困難戦の構築 |
蓄積された顧客でデータに対して、何をかけ合わせれば価値になるか(掛け算要素)を検討する。 |
こうして検討された新商流は、デジタル技術は汎用性が高く、比較的容易に競合他社も調達できるため、このままでは模倣することができてしまいます。そこで、自社に蓄積されたデータを顧客にとって価値のあるサービスに応用適用することで、模倣困難性を確保することを検討します。
業 界:産業装置業界(製造装置)
会社プロフィール:新興の成長企業
テーマ:AIを活用した新サービスの創出
背 景:競合他社がAIを搭載した新製品を発表し、自社のシェアを切り崩すためのセールスプロモーションを仕掛けてきていた。そこで、業界のトップランナーとして、AIを活用した新サービス・新規事業を打ち出すことが急務であった。
取り組み内容
JMACコンサルティングを受ける前は、自社の製造装置にAIを用いた故障予知・診断機能を搭載することを計画しており、現状のアフターサービスの延長線上の改善レベルであった。バックキャスティングの発想で顧客の経営課題解決の視点で改めて新サービスを検討した結果、顧客が最も必要とするAIソリューションを競合他社よりも先行して打ち出すことに成功した。
(※本事例は許諾を得て掲載しています)